ニッポンの洋食新発見。
第四回テーマ シチュー
手間のかけ方がケタ違いのスチュー専門店 手間のかけ方がケタ違いのスチュー専門店
料理人の腕を確かめたければ煮込み料理を注文するのが一番らしい。その理由は、煮込み料理のソース作りは料理人の技術や経験によって大きく左右されるからである。今回は煮込み料理の代表であるシチューの専門店「スチューケトル」を訪ねてみた。

◆◇◆
「今ではシチューという言い方が一般的になりましたが、うちでは店名もそうであるように英語の原音に近いスチューと呼んでいます」と話されるのは、創業20年の「スチューケトル」オーナー近藤朋子(こんどう・ともこ)さんである。北米ハリウッドにあったスチュー専門店「スチューケトル」を日本に持ち込んだのはハンガリー人のシェフ。そのシェフが日本人向けに考案した10種のレシピを近藤さんが受け継いだ。「スチューは世界各国にいろんな種類がある興味深い料理です。お店をやるなら自分が好きな料理であることが重要」と話されるように、近藤さんのスチューに対する思いは熱い。
「スチューケトル」近藤 朋子オーナー
南部鉄鍋に茹でた野菜を入れる。 南部鉄鍋に茹でた野菜を入れる。

スチューケトルには「ワールドスチュー」と呼ばれる10種類のスチューがある。一番人気なのは「オールドファッション・ビーフスチュー」。ルーは赤身の肩ロース、玉ねぎ、トマトピューレなどを加え、数時間煮込んで秘伝のスパイスを入れ、素材とスープをなじませるために一晩寝かせる。そのルーに茹でた野菜を加え、注文を受けてから南部鉄鍋に移す。そして沸騰しないようにコトコト煮込んだら出来上がり。鉄鍋のままお客様のテーブルに届けられる熱々のスチューは、ドミグラスソースで作るスチューとは違う個性的な味である。何とも言えない絶妙のスパイスが効いていて、スチューの原型のような懐かしい味がするのだ。

大きな寸胴鍋にたっぷりなスチューのルー。やはり一度に煮込む量が多ければ多いほど味が深く、コクが出るのである。この味は家庭で作れますか?という質問に近藤さんは「やはり難しいでしょう。秘伝のスパイスがありませんからね」と笑う。20年間毎日コトコトと作られてきたスチューをめがけて常連さんが通ってくる。専門店の奥深き味に魅了された人たちである。
秘伝のスパイスが入ったルーを入れる。 秘伝のスパイスが入ったルーを入れる。
コトコト煮込む。 コトコト煮込む。
できあがり!
◆今回取材したお店〜スチュー専門店 スチューケトル
★お知らせ★
※取材後、銀座から下記住所へ移転。お店の名前も「スチュ−ケトル・リバース」へと変わり、2004年7月下旬、オープンデッキを備えたカフェ&ダイニングバーとして新装開店。おなじみのスチュ−メニューに加え、新しいメニューも登場。

■「スチュ−ケトル・リバース」
東京都渋谷区神南1-13-4 井戸ビルB1F
03-3461-9071
営業時間 11:30〜24:00
定休日 (月)のみ
スチュー専門店 スチューケトル
2002年12月取材

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