ニッポンの洋食新発見。
第一回テーマ とんかつ
食材探訪 どうしてきゃべつ?  
   
東京青果株式会社 開発部長 事業企画推進室長 日向弘吉さん
とんかつの付け合わせと言えばキャベツ。肉に絡まるシャキシャキとした歯ごたえ、適度な甘み。キャベツがあってこそ、とんかつがおいしく感じるのではないかと思えるベストなパートナーだ。

ところでこの法則はいつ頃決まったのだろうか。いくつかの文献によると、どうやら、とんかつが生まれた明治時代に遡るらしい。それまでは「とんかつ」(当時はポークカツレツ)に温野菜を添えていた洋食店がキャベツを添えたところ、これがたいそうおいしかった…。という話が残っている。「とんかつの動物性タンパク質をキャベツの植物性タンパク質が消してくれるんですね。しかも油分独特の後味もさっぱりさせてくれる。それがベストマッチなパートナーの由縁じゃないでしょうか?」と話されるのは「野菜のことならお任せ!」の東京青果株式会社 開発部長 事業企画推進室長 日向弘吉さん。

キャベツは大きく分けて2種類あり、「冬キャベツ(寒ダマ)」と呼ばれる身がかたいものと「春キャベツ(新キャベツ)」と呼ばれる身が柔らかくてみずみずしいものがある。通常とんかつに添えられるのは前者の「冬キャベツ」である。「冬キャベツ」の特徴である歯ごたえ(食感)、さっぱり感、歯切れの良さがとんかつにピッタリなのである。

歯ごたえが少なく、千切りにするとペシャッとしてしまう「春キャベツ」は不向きなようだが、あの鮮やかな緑色は食欲をそそってくれる。気の利いたとんかつ屋さんは両者をブレンドして使っているらしい。

 
1位: 愛知県(豊橋市など)
2位: 千葉県(銚子市など)
3位: 群馬県(嬬恋村など)
4位: 神奈川(三浦半島など)
5位: 茨城(県南地区)
 
せっかくなのでキャベツのことを少し勉強してみると「日本人は糖度が高いものを美味しく感じる国民性。同様に野菜もその傾向があります。冬キャベツと春キャベツを比べると冬キャベツの方が糖度が高く、寒い時期の締まったものだと13〜14度もあるんです。ちなみにスイカが11〜12度なので、いかに甘いかおわかりでしょう」と日向さん。また栄養成分的に見ても「春キャベツ」よりも「冬キャベツ」の方が高いとのこと。中でも冬に栽培して、冬に出荷される「冬キャベツ」が糖度も栄養分も特に高いそうだ。これは一部の品目を除いて、野菜全般に言えることらしいが、温度や土の状態など条件があまり整っていない状況でじわじわ育った方ものの方がおいしいとのこと。ちなみに2002年のキャベツは気候に恵まれたお陰で豊作らしい。輸入野菜が多くなった現在でもキャベツは国内産が99%を占めている。

月に1〜2回は必ず、と言うほど日向さんはとんかつ好き。最近はいろいろな食べ方やソースが生まれているが「僕はドロッとしたとんかつソースが好きでね…」と日向さん。とんかつを食べる時の「おいしい笑顔」が想像できるようだ。


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